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こんにちは薬院センターです。
コロナによる厳しい状況は続いていますが、新年度が始まるこのタイミングで就職活動をされている方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、アプローチの視点を少し変えることで、コロナ禍であっても見事就職に繋がったOさんの事例をご紹介したいと思います。
【もくじ】
1.Oさんのプロフィール
・女性(20代)
・発達障害(自閉症)
・障害特性:発話によるコミュニケーションや自己表現が苦手。
Oさんはこれまでに、お父様の営む広告業の手伝いや、イベントスタッフのアルバイトの経験はありますが、社会人経験はほぼありません。
絵を描くことが好きなこともあり、デザイン職に就きたいという希望をお持ちでした。
2.就職までの課題
Oさんは何故、なかなか就職に繋がらないのか?まずはOさんが抱える課題を整理しました。
そこで浮かび上がってきた課題は大きく分けると以下の2点です。
(1)就職に対するイメージが薄い
(2)発話によるコミュニケーションや自己表現が苦手
社会人経験が少なく、就職に対するイメージが薄いことから、希望職種や求める条件の理想が高く、仕事の選択肢がとても狭く限定されていました。
また、障がい特性によって、発話によるコミュニケーションや自己表現が苦手であることから、書類が通っても、面接で上手くお話ができずに不採用となってしまうという状況が続いていました。
3.課題にどう対処したか?
(1)就職に対するイメージが薄い
この点については、まずは自分で経験を重ねることが必要だと考えました。
特にOさんが当初希望していたデザイン職は、障がいを持ちながら働かれている方も、もちろんたくさんいらっしゃいますが、専門性を強く求められますし、障がい者求人が少ないのが現状です。
また、Oさん自身が持つ、自分を強く持っており他人の意見に左右されないという性格上、まずは挑戦してみて、そのあとに一緒に軌道修正を行っていくことがOさんにとって最適なやり方だと感じました。
応募してみてダメだったら、原因を一緒に考える。時には厳しいこともお伝えしましたが、Oさんはしっかりと受容してくれました。これもOさんの強みだと思います。
これを繰り返しながら時間をかけて、Oさんの希望職種の理想と現実の擦り合わせを行っていきました。
初めはデザイン職のみで考えていたところを、少しずつ事務職にも視野を向けるようになりました。
最終的には事務職への就職を目指し、ご自分の意思で事務職に活かせる資格も取得されました。
(2)発話によるコミュニケーションや自己表現が苦手
Oさんは障がい特性により、発話によるコミュニケーションや自己表現が苦手です。返答に困ったときは沈黙状態になってしまったり、敬語で話すことができなかったり、語尾まではっきりと言葉を発することができずにもごもごとなってしまったり…。
これらの特性は、就職面接時の緊張によって特に顕著に表れるため、書類が通っても、なかなか採用に繋がらないという状況が続いていました。
しかし、Oさんの頭の中にはたくさんの文章があり、文章を書くことは得意です。
また、面接練習をしていくうちに、1~2行分くらいの短い文章であれば暗記をすることができ、暗記をした部分であれば自信を持って言葉に出来るということが分かりました。
Oさんの持つこれらの強みを踏まえ、「長く話さないといけない」という気持ちは後回しにし、本当に伝えたいことの要点だけを短い文章で伝える方法にシフトチェンジして面接対策を行いました。
4.Oさんの頑張りが報われ、採用に!
本格的に就職活動を開始してから約半年後、Oさんの日々の努力が実り、見事就職することができました。
当初希望されていたデザイン職ではなく、事務と清掃の両方を担うお仕事ですが、決まったときの安心されているご様子がとても印象に残っています。
今後は、就労定着支援を通じてOさんが同じ職場で長く働けるようにサポートしていきます。
5.まとめ
今回はアプローチの視点を変えたことで就職に繋がった事例をご紹介しました。
「苦手なことを克服しないといけない!」という気持ちを持つことはとても大切です。
しかし、自分が持っている良いところや強みを伸ばすことに目を向けるのを忘れがちな方がたくさんいるように感じています。
スプライフは担当制をとっているため、一人の職員と一人の利用者さんとで確かな信頼関係を築いていきます。
そのような中で、一人一人に合った支援方針を見つけ、その方に合った方法で就職に向けた支援を行っていきます。
現在、就職活動が上手くいっていない方、就職活動を始めたいけど何から始めたらいいか分からない方など、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。職員一同心よりお待ちしております。
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